2023.07.13 01:57雨の街に帰る【短編小説】あらすじとある梅雨の合間、父親は小さな息子に地元の昔話を伝える。記憶の果てに消えていった仲間たちの話を。どこか物悲しいホラー短編。 昔の話をしようか。 お前が生まれる、もっとずっと前の、遠い遠い、過去の話さ。 ほぼ言い伝えと化している、とても不思議な話を。...
2023.01.17 11:34雪のお姫様 あそこの家、やばいんだよ。 学年中で噂されているその生徒は、南柚子《みなみ ゆず》と近いクラスの子だった。 女子校にとって噂とは、話のネタの一種みたいなものだ。自分たちの枠にはまらないものを異質だと分かっていて、わざと楽しむ。怖い場所に自ら入って怖いと言いながら出て行く、肝試し...